放浪フリーク

企業の末端オブ末端で働かされている28歳の見たもの聴いたものの記録だよ。今は育休中。令和生まれの娘がいるよ。

GRAPEVINE club circuit 2014 @名古屋ダイアモンドホール

 11月7日、名古屋ダイヤモンドホールで行われたGRAPEVINEのライブへ行ってきました!バインのライブを観るのは『愚かな者の語ること』リリース時のツアー以来。SPEEDSTAR RECORDSに移籍してからは初のライブになりました。

 平日ということもあってか18時開場の19時開演という遅めのスタート。仕事終わりでの参加だったのでありがたかったです。バインのライブはいつも後ろ(金やん側)でまったり観ているので、開演に間に合うようにゆっくり会場に向かったのですが、思いのほか空いていたので比較的前の方で観てみることに。バインのライブは少なくとも私が知っている限りではモッシュやダイブも無いし大丈夫でしょ!しかしこんなにステージ近いの初めてだなあ、とドキドキしながら待っていると、客席の照明が暗くなりメンバーがぞろぞろとステージへ。実はクラブ・サーキットは初めての参加でした。リリースツアーと違って、どのアルバムのどの曲を演ってくれるのか?新曲は聴けるのか?待ちに待った本編がスタートです。セットリストは以下の通り。

 

1 ふれていたい

2 想うということ

3 Good-bye my world

4 ぼくらなら

5 discord

6 KOL(新曲)

7 うわばみ

8 1977

9 YOROI

10 吹曝しのシェヴィ(新曲)

11 Neo Burlesque

12 ANATA  

13 片側一車線の夢

14 Empty song(新曲)

15 Metamorphose  

16 ONI

17 CORE

18 風の歌 

-アンコール-

19 南行き

20 指先  

21 放浪フリーク 

 

 まさかの「ふれていたい」始まりで会場の温度が上がっていくのがわかるようでした。バインのライブで腕を上げてる人って少ないように思いますがこの曲はよく上がっていました。それだけ人気がある曲ということでしょうか。ベストアルバム曲投票の時も上位30曲に入ってたしね。収録されなかったけどね。

 久しぶりのバインいいなあかっこいいなあ田中さんものすごい笑顔だなあwと思いながら観ているとふと違和感が。あれ、なにか違うぞ。おかしいぞと。金戸さんの自己主張強めのギターみたいなベースが面白いのでいつも左側で見るのですが、今回はいつもの金戸さんの位置にアニキこと西川さんが。どうやら移籍を機に?西川さんと金戸さんの立ち位置を変えているようです。おかげで今回のライブでは西川さんの切れ味のよい冴えたギターを目でも耳でも堪能できました。この人の弾くギターが魅力的であることが、GRAPEVINEGRAPEVINEたる所以だと、1ファンとして思います。

 田中さんが「普段聴けない曲沢山聴けたでしょ」とMCでおっしゃってましたが、本当にそうで、ライブで聴いたことのない曲、聴いてみたかった曲が次々聴けました。特に「Good-bye my world」は個人的に思い入れのある曲で、3曲目でいきなり聴けると思わず、うっかり泣き出すところでした。間奏の西川さんのソロでは鳥肌がたち、曲終盤の田中さんの切迫したような歌い方は、もうこのライブ終わるんじゃないかと錯覚しそうになる程でした。バインのライブはどの曲も音源の再現度が高くて毎度驚くのですが、年々深みを増していく田中さんの声で昔の曲を聴くとこれがとってもいいのです。「ぼくらなら」や「指先」といった季節に似合う曲でしんみりとしてみたり、「南行き」や「放浪フリーク」のカラッと渇いたサウンドに暑かった夏の日を思ったり。音源のみゃあみゃあいう感じも(褒めてますよ)好きなんですが、今の歌い方も曲と一緒に年齢を重ねているようでかっこいいなと思います。ちなみに「放浪フリーク」のあっけらかんとした中に悲しさがひとさじ混じる感じが改めていいなと思って、ブログのタイトルにしてみた次第です。

 新曲「Empty song」は、ディレイのかかったギターがかっこよくて近年稀にみる(笑)イントロの高揚感だと思いました。アルバムの1曲目に来そうな、ライブの1曲目に来そうな、掴みの1曲という感じ。飲酒も喫煙も全く制限せず、サビのあの高音をなんなく出せる田中さんは何者なのだろうとライブを見ながら何度か思いました。声量おばけというコメントを某動画サイトで見たことがありますがそれでしょうか。他2曲の新曲についてはどっちがどっちか忘れたので書くのはやめておきます。一方は今までにない歌い方だったのは確か。

 個々の演奏も歌も照明も全部含めて圧倒的だったのは「CORE」でした。後光がさすような、レーザービームのような(sweet home adabanaのDVDの「KINGDOME COME」みたいな)ライティングにスモーク。低い温度から1度しかないサビに向かって熱量を上げていく様は瞬きが惜しい程かっこよかったです。アウトロの長いセッションは、どの音を聴けばいいかわからないくらいの轟音で、でもそれが最高に気持ちよくて意識が何処かに連れて行かれそうになりました。いつかのライブで田中さんが「客席との一体感とかそういうバンドじゃないので寝るのもアリ」みたいなことを言っていましたが、バインのライブにいくと本当にいつも眠くなります。勿論良い意味で。身体に絶えず響いてくる音の波に身を委ねてしまいたくなるのです。結果ふらついて隣の人にぶつかったというオチがありますが(隣の人本当に本当にすみませんでした)。前にいたほぼ棒立ちで見ていた男の人が、この曲では身体を揺らしてたのがとても印象的でした。

 

 GRAPEVINEは高校生の頃に好きになって、お金が無くてライブに行けなくて、大学生になってアルバイトをして、色んなバンドのライブに行くようになっても、ずっと私を魅了してやまないバンド。流行りの若いバンドに入れ込んでも、アイドルのコンサートでサイリウムを振っても、結局ここへ帰ってくる自分がいます。ツアーグッズのポニーにニッパー(犬)が噛みついている?イラストには皮肉めいたものを感じてしまいましたが(笑)。それもバインらしさなのかなと。

 「また来るぜー今年中に会うことはないぜーアルバムほぼ出来てるぜー」と嬉しい知らせを残して颯爽と彼らは去っていきました。生きている以上は背負っているものはきっと沢山あるのだろうけど、それを感じさせない身軽さに今回も魅せられてしまうのでした。コンスタントに作品を発表してライブをしてくれることに感謝しつつ、新曲のリリースを楽しみに待つ秋の夜長。

 


GRAPEVINE - 「Empty song」 MUSIC VIDEO - YouTube