放浪フリーク

企業の末端オブ末端で働かされている28歳の見たもの聴いたものの記録だよ。今は育休中。令和生まれの娘がいるよ。

フィロソフィーのダンスを聴いてくれよ

また更新が久々になってしまった。

突然ですが。

タイトルのとおりフィロソフィーのダンスというグループが最高なのでそれについて。

 

フィロソフィーのダンスは、日向ハル奥津マリリ佐藤まりあ十束おとはの4人からなる2020年メジャーデビューのアイドルグループ。

公式サイトによるとコンテンポラリーなファンク、R&Bに哲学的なメッセージを込めた歌詞をのせて歌っている、とのこと。

グループ名は映画『リアリティのダンス』からきているそうで、こちらも観てみたいところ。

 

わたしがフィロソフィーのダンスを知ったのは2018年も終わりに差し掛かろうとしていた頃。

Spotifyで音楽をシャッフルで再生していたところ、おすすめトラックとして『パレーシア』が流れた。1度聴いただけで好きになった。気怠げな甘い声とノスタルジックなサウンドに、バーの片隅、男友達の恋の悩みを仕方ないな、と言いつつ優しく聞いてあげる女性、の図が容易に思い浮かんでしまった。ちなみにパレーシアとはギリシャ語で「包み隠さず話す」という意味の哲学用語だそうだ。

こんな渋いアイドルがいたのか、と調べてみるとなんとも共通点のなさそうな4人組。元々バンドで歌っていた小柄だがパワフルボイスの日向ハル(赤)、ナイスバディでシルキーボイスの奥津マリリ(青)、腹筋の割れたザ・王道アイドルの佐藤まりあ(ピンク)、ゲームの為ならPCを一から組み上げるオタク系アイドル十束おとは(黄)。これは偏見だが4人が同じ学校のクラスメイトだったとしても、別々のグループに属していそうだ。そしてこのバラバラの個性こそが正解で、最高じゃん!!!と思える曲が、代表曲『ダンス・ファウンダー』だ。

 

 

衣装とヘアメイクがくるくる変わり、SPEEDのオマージュあり(あるよね?)自己紹介的な要素もありの盛りだくさんのMVになっている。MVのラストには『ラッセル幸福論』の引用がある。哲学は詳しくないが、要は楽しい時はとことん楽しめばいい。他の誰かが自分よりいい思いしてるかも、とかいちいち考えるな。ということだろう。黙っていても大量の情報が流れ込んできて、他者の考え・生き方に容易に触れられる時代。人の目を全く気にせずに行動できる人がどれだけいるだろうか。そんな日々のちりつもストレスをしばし忘れさせてくれる楽しさがある。「間違ったステップなんてないんだ」と彼女達も歌っている。

 

こうしてわたしはベスト・フォーと衝撃的な出会いをした。程なくして、平成の終わりを歌った『ヒューリスティック・シティ』のMVが公開された。そこからは完全に沼だった。

 

 

天才だ、Bメロが。エモい、エモすぎる。何でもかんでもエモいエモいと表現される昨今だが、エモいの使いどころは間違いなくここである。フィロソフィーのダンスのプロデューサーはNUMBER GIRL等を世に送り出した加茂啓太郎氏ということで、この渋い楽曲たちを生み出しているのも渋いおじさんでしょ、と思いきや、楽曲の多くを手掛ける宮野弦士氏、バリバリの20代である。どんな環境で暮らして何を聴いて育ってどんなものを食べたら20数年でこんないい塩梅の音楽を作り出せるんですか天才ですか。といつも思っている。

そして楽曲の良さに負けず4人の表現力も素晴らしい。奥津マリリの歌い出しから引き込まれ、いつもより柔らかい日向ハルの声、メインを邪魔しない佐藤まりあのハモリ。そして「元気なアニメ声」の印象だった十束おとはが、この曲では力みのない落ち着いた声で歌っている。「三つ目の選択肢あればなんでもないことだ」の消えかかる「だ」が心地よく、ヤマモトショウ氏の歌詞の世界にすっと入り込んで浸れる。絶品。MVでの4人の表情も「平成が終わろうとしている今」(当時)でしか撮れない特別なものに見えて、名曲だらけのフィロのスの中でも最高傑作ではないかと思う。ちなみにMVに出てくる新宿スバルビルは1966年に竣工し、平成という時代を見守り、その終わりと共に解体されたそうだ。ノスタルジーを誘うね。

 

ここまでくると、ライブ行ってみたい。となるのだが、子どもが小さくまだまだフットワーク軽く動けないのと、コロナの馬鹿のせいでなかなか実現しない。悔しいのでYouTubeで公開されている映像をいくつか見ているが、超、超、楽しそうなので紹介する。

4人も、バックバンドも本当に楽しんでいるのが伝わるステージ。生バンドの演奏にアイドル現場特有のコールって…?!と思っていたが気にならないし寧ろ良い。「EVERYBODY!」やりたい。

アイドルとして生きる喜びに満ち溢れていて、泣けてしまう。ハッピーをありがとう………

配信開始直後から何度もリピートした『シスター』。恐らく女性同士の恋愛を歌っているであろうこの楽曲。この曲にこのダンス、いる?!笑 と思うところもあるが、それもひっくるめて中毒性が高い。そして深い赤で統一された衣装が優勝している。それぞれが1番きれいに見えるように計算された衣装。特に長い髪の天使・あんぬちゃんのくびれが天っっっ才だ…(あんぬちゃんとは佐藤まりあの愛称である)。モーニング娘。'20のリーダー譜久村聖を長らく推しているが、彼女を好きな人はあんぬちゃんに簡単におちると思う(わたし調べ)

 

 

長々と書いてきたがどのようにまとめたら良いのかわからない…とにかく、1度聴いてみてほしい。アイドルというだけで敬遠する人もいるだろうが、刹那的な輝きではなく長く光を注いでくれそうな、そんなグループである。