放浪フリーク

企業の末端オブ末端で働かされている28歳の見たもの聴いたものの記録だよ。今は育休中。令和生まれの娘がいるよ。

People In The Box『Wall,Window』『聖者たち』release tour@名古屋CLUB QUATTRO

 またまた更新が久しぶりになってしまいました。今日は今月4日に名古屋CLUB QUATTROで行われました、People In The Boxのライブレポートをつらつらと書いてまいります。ピープルは頻繁にライブをしてくれるので結構な回数通っている気がしますが、ツアー初日だからかお客さんがとっても多かった気がします。今までにない程良い整理番号を入手できたため、見やすい位置で快適にライブを楽しめました。セットリストは以下の通り。

 

1.天国のアクシデント
2.翻訳機
3.影

4.さまよう
5.馬
6.おいでよ
7.水面上のアリア

8.手紙
9.あの頃
10.ダンス、ダンス、ダンス
11.花
12.もう大丈夫
13.物質的胎児
14.月

15.水曜日 /密室
16.聖者たち
17.アメリカ
18.風が吹いたら

 

<アンコール>

19.リマ
20.あなたのなかの忘れた海
21.ニムロッド

 

 いつものように Jim O'Rourkeの『And I'm Singing』に乗せてメンバーがステージに登場すると、波多野さんが聞き覚えのない曲を歌い始めます。「Wall,Window」とアルバムのタイトルで始まるこの曲、おそらくこのリリースツアーのためのオリジナルでしょう。歌詞がブログに載っていたので貼っておきます。

People In The Box Blog.

 今回はリリースツアーということで、最新アルバム『Wall,Window』と、同時にリリースされたシングル『聖者たち』から全曲が演奏されました。ライブの1曲目を飾ったのは『聖者たち』から『天国のアクシデント』。『聖者たち』収録の3曲の中で一番よく聴いていた曲だったので、初っ端からテンションが上がりっぱなしでした。この曲の中で何度も繰り返されるギターのフレーズが好きで、それが目の前で演奏されていることにひどく感激しました。今回はサポートメンバー無しの完全な3人体制だったこともあり、歌いながら複雑なフレーズをさらりと弾きこなす波多野さんを見ることが出来ました。3人だけの音とは思えない程、重厚で実に格好よかったです。

 会場のテンションがぐぐぐっと上がったなと感じたのは、『水面上のアリア』でした。この曲をライブで聴くのは初めてだったので、「おお」と小さく声を上げたのを覚えています。カラッと晴れた夏の日のような、ラムネの栓を開けた時のような爽やかさと、歌詞の不穏さの違和感が癖になる「らしい」曲だなと改めて思いました。「らしさ」なんてどうでも良くなる程、楽曲に対する様々なアプローチが見られて楽しいバンドですけどね。リリース当時たぶん高校生で、ピープルに関して「少年みたいな声で変拍子が多くてさー」ぐらいの印象しかなかった時代を思い出して懐かしくなりました(笑)。「少年みたいな声」は今でも健在で澄んだ綺麗な声をしていらっしゃる波多野さんですが、当時に比べると随分と伸びやかで芯のある声で歌うようになったと思います。他にも『水曜日/密室』や『アメリカ』など懐かしい曲を何曲か聴けて嬉しかったです。欲を言えば『Rabbit Hole』や『Bird Hotel』の曲も聴きたかったな。

 ライブで一番印象に残ったのは、『花』からの4曲。波多野さんがギターを置きピアノに向かう形で披露されました。『もう大丈夫』はシンプルなメロディーなのに、それが繰り返される度、だんだんと熱を帯びていくかんじが意外にもライブ向きというか。熱量が上がり切ったところでさらに畳み掛けるように詰め込まれた歌詞も、ピープルには珍しい表現かなと思います。『物質的胎児』ではピアノで奏でられるイントロに鳥肌が立ちました。元々好きな曲というのもあるのですが、それをピアノを加えたアレンジで聴けるなんて夢のようで。しかもそれがただただ美しくて。ピープルはメロディーの綺麗な曲が多いので、音数を絞ったアレンジになった時その曲の持つ美しさが際立つような気がします。ピアノを取り入れたライブならではのアレンジは、今後も是非続けていただきたいなと思いました。『月』の余韻に浸っていると恒例のダイゴマンによるハイテンショングッズ紹介。紹介し終えたグッズをポイと勢いよく放り投げるの、わかっていても毎回笑ってしまう。今回は特にグッズ購入しませんでしたが、ピープルは昔から可愛いグッズ多いと思います。

 アンコールでは、福井さん(いつもよりよく喋ってた!笑)が「12月ですよ」と言ったその流れで『リマ』を披露。少し早いクリスマスプレゼントになりましたね。12月というワードだけで『She hates December』を思い出してしまいましたけど。この曲もいつかライブで聴いてみたい曲のひとつです。

 

 ツアー初日だったこの日。新曲たちを世に送り出せて嬉しい、大切にたくさん聴いてほしい、という彼らの純粋な想いが伝わってくるような素敵なライブでした。ツアーが始まってわくわくしている彼らを見ることができたのは良い収穫。『風が吹いたら』で手拍子を要求されるまで、突っ立っている程度にはシャイですが(笑)、本当に楽しかったです。短めで雑ですが、今回はこの辺で。


People In The Box「翻訳機」「聖者たち」MV - YouTube