放浪フリーク

企業の末端オブ末端で働かされている28歳の見たもの聴いたものの記録だよ。今は育休中。令和生まれの娘がいるよ。

星野 源 横浜アリーナ2Days『ツービート / バンドDay』

 昨年ブログへ遊びにきてくださった方も、初めましての方も、新年あけましておめでとうございます。2015年もライブやコンサートにはできるだけ足を運び、文字に起こしていけるといいなと思っています。また日々聴いている音楽や読んだ本、観た映画のことなんかも書いていきたいです。マイペースなブログですが、どうぞ暇つぶしにでもご覧くださいませ。

 さて、新年一発目は星野源くんのライブレポから。

 12月16日と17日の2日間にわたり、「星野 源 横浜アリーナ2Days『ツービート』」が開催されました。初日は弾き語り、2日目はバンドという異なったコンセプトが設けられたこの公演。私が参加したバンドDayでは、長岡亮介さん(G, Cho)、伊賀航さん(B)、伊藤大地さん(Dr, Cho)、野村卓史さん(Piano, Key)、石橋英子さん(Key, Xylophone, Cho, etc)という豪華なメンバー(ナタリーさんより引用しました)を従えて源くんがステージへ。シャンデリアや赤い緞帳で飾られたステージの中、ホーンセクションやストリングスも加わって、贅沢な空間でのライブとなりました。

 ライブの幕開けはストリングスの皆さんによる『デイジーお味噌汁』。することのない休日の昼下がりのような、昼寝で1日を無駄にしてしまった気怠い夕方のような、そんなイメージをこの曲には抱いていたのですが、柔らかい弦の音で表現されると、この曲の持つメロディーの美しさが際立って素敵でした。源くんのアルバムでは、リリース時期が一番早いというのもありますが『ばかのうた』を一番よく聴いてきたので、この1曲を聴けただけでもかなりの満足感がありました。

 会場の空気が一気にまろやかになったところで、源くんがミニスカサンタに連れられ登場(今回はナースじゃなくてよかったね)。源くんが少し焦り気味に「今日は僕の身体的なサプライズがあるのでこのままいきます」的なことを話すと、すぐにライブ本編へ。『ギャグ』から『Night Troop』までを駆け足で歌いました。特に『穴を掘る』はライブで聴いてみたかった曲でもあり、思わず顔がほころんでしまう程楽しかったです。身体的サプライズってなんだ??とずっと疑問に思いながらも演奏を楽しんでいると、ここで源くん本番中にも拘らずトイレへ行くことに(確かにサプライズ笑)!これが笑って許されるのも源くんだからだな、と思います。会場は一時騒然となりましたが、残されたバンドメンバーが即興で素敵なセッションを披露してくれました。これがまたとっても格好よくて。あんまり心地いいのでずっと聴いていたかったです。ステージへようやく戻った源くんは「鬼のように出た」と一言。よかったね源くん…笑

 役者が揃ったところで、『くせのうた』『未来』『くだらないの中に』をしっとりと披露。この流れでよく笑わずに歌えるなと思いましたが、流石はプロ。切り替えのはやさが凄まじくて、気づけば曲の世界にすっと入り込んでいました。特に『くせのうた』は、まっすぐ前を見据えて歌詞のひとつひとつを大切に歌う姿に、胸にじんわりと広がるものがありました。「寂しいと叫ぶには僕はあまりにくだらない」という歌詞に衝撃を受けて早数年。初めて生で聴く歌声は優しく、でもとっても力がありました。

 ライブ中盤、スクリーンに一流ミュージシャン(清水ミチコさんとレイザーラモンRG)からのメッセージが流れます。清水さんの物まねが上手くて面白いのは勿論なのですが、RGの佐野元春が個人的にツボすぎてずっとお腹が痛かったです。横浜アリーナ、駅から意外と歩かされるよね。うん。映像が終わると、源くんがセグウェイに乗って登場。X JAPANの『Forever Love』にのせて中央のステージへと移動すると、会場が笑いと歓声の渦に包まれました。ここからは、かの有名な「クソ女」の続報なども交えながら弾き語りを披露。『ひらめき』『スカート』『老夫婦』に加え、NUMBER GIRL『透明少女』のカバーや新曲『愛のせい』をアリーナいっぱいに響かせました。『愛のせい』は、初日の奥田民生さんとのコラボのために作られた曲。民生さんへのリスペクトが随所に感じられる曲で、自然と体が揺れました。音源化する予定はないそうで、なんとももったいない。またいつかどこかで聴けることを祈ります。再びセグウェイでメインステージへ帰っていく源くんを見て、急に先日モーニング娘。を卒業した道重さんを思い出してしまいました。道重さんが涙を堪えながらファンに手を振り歩いたこの道を、源くんがセグウェイに乗って通ることになろうとは。誰が予想したでしょうか。ここでは日々、色んなドラマが繰り広げられているのだな。すごいぞ横浜アリーナ…!という謎の感動をひとり味わった私でした。

 再び一流ミュージシャン(バナナマン)からのメッセージの映像を挟んで、いよいよライブは終盤へ。ストリングスによる『さようならのうみ』は音源化してほしいくらい綺麗でした。ストリングスアレンジは誰がしたのかなあ。気になるところです。『レコードノイズ』はミラーボールを使った演出がとっても印象的でした。アルバムの中ではどちらかというと地味な楽曲だったと思うのですが、ライブでは壮大な雰囲気に仕上がっていて楽曲の印象が大きく変わった瞬間でしたね。「ここからちょっとだけ盛り上がります(みたいなことを言った気がする)」というMCからの『ワークソング』『兄妹』『地獄でなぜ悪い』には何故だか涙がほろっと溢れてしまいました。源くん含めバンド、ホーン隊、ストリングス全員の発する熱がビリビリ伝わってきて、なんだかすごい幸せだなーと今日ここに来れて良かったなーと純粋にそんなことを思っていた気がします。おそらく会場が一番盛り上がったであろう『夢の外へ』では、(拍子変わるとこでわかんなくなったりしたけど笑)手拍子するのがとっても楽しかったし、演奏している本人たちが本当に楽しそうで、それが最高に嬉しかったです。本編最後を飾ったのは『桜の森』。実はライブが始まってストリングスが加わると分かってから、ずっとこの曲を楽しみにしていました。楽曲を華やかに彩りながらも、1音も無駄な音の無いさっぱりとしたストリングスアレンジがとっても好きで、生で聴けた時は感無量でした。

  アンコールでは待ちに待ったニセ明さんの登場。どこまで伸びるんだと驚くくらいビブラートをきかせまくった声で『君は薔薇より美しい』を熱唱。残念ながらニセ明はこれにて終了ということで、ステージ上にウィッグとサングラスを残して立ち去ったニセさん。ぽつんと残されたそれを、スポットライトが格好よく照らすという無駄に凝った演出で会場は笑いに包まれました。ニセさん、またいつか会えるといいな。

 ライブの最後の一曲として選ばれたのは『Crazy Crazy』。MVの「沈む夕日が 頬を染め」の部分、ライブでも盛大にやってくれて震えるほど感激しました。満面の笑みで歌い切り、源くんやバンドメンバーがステージから去ると、スクリーンに突如「星野源ドキュメンタリー映画化決定」の文字が。騒然というか唖然というか、驚きと期待感で大興奮のままライブは幕を閉じました。

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 源くんがくも膜下出血の手術をした日が、2年前のまさにこの日だったそうです。「今年は恩返しをしたいと思ってやってきた。来年はもっとくだらないことをやっていきたい」と笑顔で語ってくれた源くん。地獄の底から這いあがった源くんの復活劇は、まだまだ序章のようです。


星野 源 - 化物 【MUSIC VIDEO & Album Trailer】 - YouTube

 

 

2014年12月17日

星野 源 横浜アリーナ2Days『ツービート / バンドDay』セットリスト

 

1. デイジーお味噌汁
2. ギャグ
3. 化物
4. 穴を掘る
5. もしも
6. ステップ
7. Night Troop
8. くせのうた
9. 未来
10. くだらないの中に
11. ひらめき
12. スカート
13. 老夫婦
14. 透明少女
15. 愛のせい
16. さようならのうみ
17. レコードノイズ
18. ワークソング
19. 兄妹
20. 地獄でなぜ悪い
21. 夢の外へ
22. 桜の森
<アンコール>
23. 君は薔薇より美しい
24. Crazy Crazy


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